競合優位性の大切さ(その事業を私/あなたがする理由)

 仕事柄か、人柄(?)か起業相談を受けることが多くある。その時にシンプルかつ重要な視点は、「そこに競合優位性はありますか?」という問いだ。この競合優位性とは何か。

 「競合優位性」とはかみ砕いていえば、そのエリア・業種・業界で既に存在する同業他社を出し抜くことができる理由、根拠だ。これが明確でない場合は、その道のプロに勝つことができないため、良くてジリ貧、悪くて瞬殺されるため、いかに魅力的な市場であったり、他に参入すべき理由があっても、参入すべきでない、あるいは内部環境・外部環境の変化により、競合優位性が失われたのであれば撤退すべし、というのが私の考えだ。

 単純な考え方だが実際、これらを実践できていないケースは多い。経営者がやりたいから飲食店をはじめる、ゴルフ事業をはじめる。簡単に儲かると思ったからM&A事業に参入する。遊休資産を活用するためにホテル事業をはじめる。。。枚挙にいとまがないが、たいてい失敗している。

 では、どうやって競合優位性を見つければいいのか。そんな方法があれば私のほうが教えてほしいが、一つのヒントはブルーオーシャン戦略だ。「自分の勝てる領域までレベルを下げていく、領域をニッチに定義して参入する。下げきったらその領域をすべて平定する勢いで競合優位性を築いていく。平定したらレベルを上げるのではなく、さらに下のレベルに下がる。武器はプライドの低さだよ」こんなことを言っていた経営者は短期間で上場してしまった。

 小さな領域であっても、競合が少なく自分ひとりの事業を成り立たせるには十分な市場が存在するケースは多々あると思うので、私自身もこのことを忘れずに日々アンテナを張りながら、自分の競合優位性を把握しておきたい。