FP&Aとは?

今年に入って、2つほど固定的な仕事が増えました。そのうちの一つに、事業会社のFP&A(Financial plannning and analysis)というポジションがあります。

クライアントサービスの経験が長かったこともあり、バックオフィスのポジションは久しぶりなのですが、決まった経緯として経営者である友人から「主に財務(資金)面で分析とプランニングをしてくれる人を探している」と相談を受け、「それはFP&Aでは?FP&Aっていうのは・・・」と話したところ、「まさにその通りだ!やってくれないか?」とお話を受けて受けることになりました。

FP&Aの仕事を私なりに大雑把にいうと「お金が残るようにすること」「残ったお金を有効活用すること」です。

私が最初に着手したことは、「銀行口座を集約すること」と「(仕入れに使っている)クレジットカードを目的別に分散すること」でした。水をためるツボは少なく、水を流す水路は複数、という形でお金がどうたまって、お金がどう使われているかの可視化をしやすくしました。

次に着手したのは「日繰りの資金繰り表を作ること」でした。ひとまずは売り上げの感応度分析ができる3か月分の日繰り表を作り、どれだけ正確に読めるかを確認しました。

やってみると予算管理だけでなく、ビジネスサイドの課題も見えてきて、経営陣との距離の近さもあり、それに関するイニシアチブも持てることが面白さでもあります。

例えば、「振り込みに使っている口座の資金が出ていくばかりで困っている」という相談を担当者から受けたら、「単純に資金を移動するのも良いが、振り込みに使っている口座に紐づく決済手段を追加導入してみらどうだろうか?当社は同業他社と比べて決済手段がまだ限られているので」という提言もできるわけです。

在庫管理にしても、「在庫を予算化します。前月の売り上げに想定原価率+2%までに抑えてください」といったところで、事業サイドは「ちょっとまってどうやってするの?そんなこと言われても困る」となります。そうではなく、「在庫を予算化するということは、SKUを絞っていくこと。」という大きな経営方針にコンセンサスを得たうえで、「売り上げが少なかったり、顧客満足度が低い製品からどんどん取り扱いを停止していってください。そのKPIが当月の仕入高/前月の売上高です。」という形をとっていきます。そうすれば事業サイドは「顧客満足度(CS)をなるべく下げずに品揃えを絞っていけばいいのだな」と試行錯誤しながらこちらの要望に応えてくれるようになります。

まだ初めて私も間もないのですが恐らくFP&Aという仕事は、ビジネスサイドについても興味をもって積極的に提言できる人が向いているのだろうなと思います。会計士としての原理原則や秩序だって仕事をしたい人は経理や税務の方が向いている気がします。